2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第63回短歌研究新人賞感想

気になったやつを 「Victim」平出奔 手はいつも汚れていると教わって視界の端へやってくる鳥 故郷で起こった緊急事態には関連しないこの町の天気 信号がついさっき青じゃなかったらきっと渡っていた歩道橋 この町に生まれていたら通ってた小学校から飛び出す…

工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』感想

ぬらっ。 『世界で一番すばらしい俺』は工藤吉生の第一歌集。カバーとかついていない簡素な装丁で、同人誌みたいでかわいい感じがする。 帯には「膝蹴りを暗い野原で受けている世界で一番すばらしい俺」という一首と「おかしないい方になるが、高度な無力感…