短歌連作を書くときの流れ ざっくり編

①連作のテーマを決める

→やっぱり意識的にしろ無意識的にしろここからはじめないと、みたいな気持ちはある

 

②連作のテーマが決まらない

→そしてテーマが決まらないまでがお約束。バカらしい話に聞こえるかもしれないけど、そもそも短歌を書く必然性って薄くね?みたいなことを考え出してテーマが決まらない。

 

③とりあえず短歌を書く

→締め切りが2か月後だとして、1ヶ月は集中してとにかく書く。1ヶ月集中して書くと、ある程度作品にモチーフや場面の偏りが出てくる。その偏りから逆算してテーマを見出だす。

 

④短歌を探す

→例えば30首連作を作っているとして、③の作業で50首くらい作ったら20首くらいに偏りが見出だせることが多い。そうしたらその20首をもとに30首連作をつくる。そして足りない10首を探す作業が必要になる。足りない10首はもとの20首が引き出せていないテーマの側面を描くようにする。仮に友情がテーマだったとして、仲の良い内容の歌ばかりあっても厚みがない。現実はもっと複雑な機微が絡まっているわけなので、相手に悪意を向けたり、無関心になったり、いろんな面が歌にほしい。あとは、このテーマ設定であれば関係性に回収されないような歌もほしい(こういう歌はモチーフの類似などで攻める)。

 

⑤短歌を削る

→とりあえず30首まとまったら、また5-7首削る。質の低い短歌、ちょっと浮いてる短歌を連作から外す。そして④を繰り返す。

 

⑥短歌を並べる

→連作では短歌の並びが重要だったり重要ではなかったりする。並べる方法は人それぞれやり方が違うけど、よく聞くのは時系列順。朝から夜へ。夜から朝へ。春から夏へ。秋から冬へ。時間の流れにそって並べる。しりとりで並べるのもよく聞く。モチーフの関連で短歌を並べる。青→海→砂→時計→壁→家みたいな。あとは、持たせたい文脈次第で歌が前後する。〈死にたい〉って内容の歌の後に〈屋上にいる〉って内容の歌があるのと、〈屋上にいる〉って内容の歌の後に〈死にたい〉って内容の歌があるのでは微妙にそれぞれの歌の雰囲気がかわる。前者では〈屋上にいる〉の歌に自死の気配が立つ。後者では〈屋上にいる〉の歌にそこまでの深刻さは出ない。ただ、連作には右から順に読んでいく「前の力」だけでなく、左からまた読み返す「後ろの力」も働くので、そこまで歌が前後だけで決定的にニュアンスが変わるというわけではない。

並べる途中で適宜⑤をする。

 

⑦連作をほっておく

→読み返してみてダメなところがないかチェックするために1週間はほっておきたい。

 

⑧連作の調整

→短歌を差し替えたり表記を変えたりする。ラストの直観はけっこう当たるので自分を信じて最終調整。

 

ex.連作を人にみせる

→やってもやんなくてもいい。でもせっかくどこかの会に所属しているのならみせてもいいかも。どの意見を無視してどの意見を汲むかは各自の裁量で。