『春原さんのリコーダー』東直子

 

ばくぜんとおまえが好きだ僕がまだ針葉樹林だったころから/東直子

 

人を嫌いになるのには理由があっても、好きになるのには理由はいらない、とかなんとかどこかで読んだ気がするけど、実際にはどうでもいい理由を後付けしたりすることが多いと思う。だから、ばくぜんと好きだ、なんて堂々と言われたら、その正直すぎる気持ちに戸惑ってしまう。

 

針葉樹林だったころからそう想っていたというのも不思議な感覚だ。自分が生まれる前から好きだった(運命の出会いのような)ということだろうか。針葉樹単体ではなくて、林であることも良さだと思う。意識が林という空間全体に分散していく手触りがあって、なにか超越性を感じる。

 

第二歌集も文庫でもうすぐ出るらしいから早く買いたいな。